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zoom RSS 【石野伸子の読み直し浪花女】〜川端康成の魔界(7)孤・美・悪・醜…ノーベル文学への序章

<<   作成日時 : 2015/05/02 14:06   >>

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 産経新聞WESTで記者の石野伸子さんが川端康成についての素晴らしいコラムを連載しています。

 昨年、長年の研究を「魔界の住人川端康成 その生涯と文学」(上下巻・勉誠出版)をまとめた元賢明女子学院短大教授の森本穫教授によると、川端作品の魔界は4つの要素で成り立っているという。
 (1)孤絶の意識
 (2)美へのあこがれ
 (3)悪あるいは罪の意識
 (4)醜なる自覚
 この4つが初めて出そろったのが「反橋」(そりはし、昭和23=1948=年)とそれに続く連作。いわゆる「住吉」連作で、ここを出発点として、以後20年間にわたり川端文学の最高の連峰をなす諸作品が生み出されたという。
 「魔界」という言葉が初めて作中に登場する「舞姫」、父の愛人と通じ、その娘とも関係を結んで愛欲の世界をさまよう「千羽鶴」、孤独の中で生きる男が美しい女への妄執を募らせる「みづうみ」、息子の嫁への道ならぬ思いにとらわれる「山の音」、薬で眠らせた若い娘と一夜を過ごす老人の秘密クラブを描いた「眠れる美女」。
 いずれも魔界をさまよわずにおれない人間の「かなしみ」を描いた作品ばかり。ノーベル文学賞へとつながる戦後の川端の華々しい活躍を支えた名作だ。
 昭和43年12月、川端康成は日本人として初めてとなるノーベル文学賞を受賞した。授賞式では「美しい日本の私−その序説」と題した原稿を読み上げた。そこで日本の伝統的精神に根ざした自身の芸術論を展開し、「魔界」に言及する。
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昭和43年、ノーベル賞を受賞した川端康成。孤絶の意識は生涯、作家をとらえて離さなかった

 「仏界入り易く、魔界入り難し」
 一休の書にこと寄せて語った魔界。先の著書で森本さんは川端の覚悟を強調する。
 「一休は生涯に2度も自殺を企て、女色の世界にも溺れ破天荒な行動で世人を驚かせた。真の芸術家はたとえ我が命を縮め、我が身を死の危険にさらしても、よりよき芸術の創造を求める。そのような魔界入り難しの峻烈苛烈な芸術の道を、川端は運命の必然と呼んだ。(記念講演は)齢70に達した自身の文学に賭ける不退転の覚悟を語ったのです」
 その川端の魔界文学の出発点となったのが「住吉」連作。そして最も深く沈みこんだのが「みづうみ」だと分析する。「住吉」連作の主人公・行平は、「みづうみ」の主人公・銀平につながっているとする。

 例えば、「汚辱と悪逆と傷枯」の生涯を送ってきたと告白する「住吉」の行平も、悪行を重ねる銀平も、「悪あるいは罪の意識」を持っている。「古美術品を見るときだけかすかに生きる実感を持てる」とつぶやく行平は、古美術の美に魅せられるがゆえに余計、自分の醜さを自覚している。銀平においてはすでに「猿のように醜い足をもつ自分」が生きる基本になっている。
 そして、根底に横たわる「孤絶の意識」。行平は生みの母と育ての母への永遠に満たされない思いを抱えている。銀平は母の故郷の湖に投身した「醜い父」を持ち、美しかったその母は病死した。2人とも孤絶の感情の中で生きている。まるで孤児感情をじっと抱えて生きた川端のように。
 さらに美へのあくなきあこがれがある。古美術品を収集し常に身辺に置いた行平。美しい女を見るとつけ回さずにおられない銀平。
 「魔界」は「かなしみ」を伴う。
 銀平は「醜」と「悪」の世界を漂い、一層暗い世界へと下降していく。そして、その底から美を切なく求める。心を揺さぶる美に出合ったとき、銀平は決まって深い「かなしみ」にとらわれる。むしろ「かなしみ」を強く感じる瞬間を求めて彷徨しているといってもいい。
 たとえば聖少女町枝を見たとき。
 「少女の肌の色からだけでも、銀平は自分が死にたいほどの、また少女を殺したいほどの、かなしみが胸にせまった」(「みづうみ」)
 なぜ「かなしみ」を求めるのか。それは孤絶に生きた自分の根底にある感情だから。生きた実感を得られる場所だから。
 だから「みづうみ」の銀平は「住吉」連作の行平の後裔(こうえい)であり、両作は構造において同心円をなす、と森本さんは書く。
 「住吉連作は敗戦後まもない康成の精神が色濃く投影された精神上の私小説であり、みづうみは戦後10年近い康成の精神を反映した私小説である。この両作品において康成は他のどの作品よりも赤裸々に自己の内面、精神を直接に語ったのである」(「魔界の住人川端康成」)

 さて、川端は女性を描き続けた作家だ。魔界へと誘う女性にモデルはあったのか。そこに浪花女はいるか。最後にこだわってみよう。   =続く

*2015.03.07 産経新聞関西版より
(http://www.sankei.com/west/news/150307/wst1503070006-n1.html)

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ま、坊さんになるのか簡単かもしれない。タイでは難しい。(タイの就職人気No1は坊さん)
井出浩司
2015/05/02 15:50

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