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zoom RSS 「満州文化物語」(1)「夢の都」大連 「うたかた」と消えた40年

<<   作成日時 : 2013/12/21 14:54   >>

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 産経新聞の月一連載「満州文化物語」です。

 ■本場の香りに魅せられ
 「“アメリカ”があふれていたね。家にはジャズのレコードと楽器。隣はハーレー・ダビッドソンの販売店。向かいは外国人向けクラブ…」
 大連(現・中国、終戦まで日本の租借地)で育ったジャズ・ドラマー、ジョージ川口(1927〜2003年)の話である。父は日本のジャズ界の“草分け”であるサックス奏者の川口養之助。2人は終戦後も大連にとどまり、ダンスホールに出演していた。
 作家の松原一枝(1916〜2011年)の『幻の大連』にこうある。《大連は、満州のどこよりも早く日本人が経営する日本人向けのダンスホールの許可が下りていた。「ペロケ」「大連会館」「東亜会館」「第七天国」といったホールが生まれた》
 昭和11(1936)年、その「ペロケ」に舞台や映画になった『上海バンスキング』のモデルとされる花形トランペッターの南里(なんり)文雄(1910〜75年)が招かれている。戦時色が濃くなるにつれ多くのジャズ・メンが大連や上海をめざす。自由な演奏活動と高いギャラ。何より、そこには“本場の香り”が漂っていたからである。

 ■パリを模した街づくり
 大連の都市計画はロシアがつくった。壮大な規模、しゃれた雰囲気…コンセプトはハルビンと同じく“東洋のパリ”。日露戦争後、それを引き継いだ日本は本格的な街づくりに乗り出す。上下水道、電気、道路を整備し、学校や病院、住宅を建てた。
 自由貿易港であり、満鉄線・シベリア鉄道によってヨーロッパとつなぐ玄関口。最盛期には、日本人約30万人(満州・関東州の都市中最多)、中国人約40万人のほか、革命から逃れてきた白系ロシア人ら欧米人が暮らす国際都市として発展してゆく。
 大連二中(旧制)から旅順高校(同)、東京大学へ進み、内務官僚となった山口喜久雄(1922年〜)によれば、「大連の日本人の生活、教育水準は内地(日本)よりもずっと高かった。たいていの家には電話があり、トイレは水洗、温水暖房やペチカを完備。自由貿易港だから時計、カメラ、ピアノも舶来品が安く手に入る。初めて内地に行ったときは『なんて田舎なんだろう』と感じたよ」

 ■満州の「円生と志ん生」
 川口父子が出演したダンスホールを経営していたのは満州映画協会(満映)や満州の演芸界で活躍した小泉吾郎(1908〜87年)。小泉は大連に芝居の一座(『羽衣座』)を持っており、終戦直後そこに、落語家の六代目三遊亭円生(1900〜79年)がいたことがある。
 円生は昭和20年5月、五代目古今亭志ん生(1890〜1973年)と一緒に満州へ慰問にきて終戦を迎え、混乱の中、大連に取り残された(引き揚げは昭和22年)。
 2人が満州行きを決めたのは空襲が激しくなった内地より、仕事や食糧があったからだ。酒好きの志ん生は《向こうには、まだ酒がウンとあるてえから…》(志ん生著『びんぼう自慢』)と反対する家族を尻目にさっさと満州行きを決めてしまう。
 作家の井上ひさし(1934〜2010年)が書いた芝居に、大連時代の2人を主人公にした『円生と志ん生』(「こまつ座」平成17年初演)がある。当時、制作を担当した長女の都(みやこ)(1963年〜、元こまつ座代表)によれば、「(父は)満州のことを調べているうちに2人が大連で一緒にいたことを知った。この芝居を気に入っていたと思いますね」。戦争や日本の植民地支配への批判をにじませた作品が多い井上も少年時代には大連を「夢の都」と思っていたという。
 だが、大連にいた多くの日本人が見ていた「夢」は突然、覚めてしまう。中立条約を破り、ソ連が突然、満州へと侵攻。“日本人の大連”は約40年で、うたかたのように消えてしまうのである。=文中敬称略

 戦後まもなく70年、満州(関東州を含む)出身者でつくる団体の解散が相次いでいる。かつてこの地には内地とは異なる日本人の文化・芸術、生活、スポーツがあった。証言と資料からその足跡を追う。(喜多由浩)=月1回掲載します

                   ◇

【用語解説】満州と日本

 明治38(1905)年、日露戦争に勝利した日本は、東清鉄道の一部(後の満鉄線)の経営権、遼東半島先端部(関東州。大連、旅順など)の租借権などを獲得し、満州(現・中国東北部)経営に乗り出す。地名、国名、国境は終戦当時。主体となったのは国策会社の満鉄。昭和7年には、関東軍主導で満州国が建国され、終戦まで日本が強い影響力を保持。最盛期には関東州と合わせ、約155万人の日本人が住んでいた。


*2013.06.17 産経新聞より
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130617/art13061707480001-n1.htm




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溥儀さんの弟は「フケツ」さんで、日本で(伊豆だったと思う)で亡くなられてる。
井出浩司
2013/12/21 21:37

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